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私の老後
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近頃、私の家の近くに老健施設が出来た。小規模だが高齢化が進む我が町にとっては良い事である。先日、家族が集まる機会があり、久しぶりの全員集合で食事しながら会話が弾んだ。話の中で健康の話が出て、長女が私にお父さんもこれから健康に注意して長生きしてもらわないと私達も安心できないからね!と涙の出るような言葉を言われた。その時私はやはり子供達は私の事を心配しているんだと思ったところ・・・長男と次女を含め子供全員が、でも今は心配はいらないよ、近くに老健施設が出来たからいつでも入所出来る用に準備をしとくから安心しといて良いよ~と、私はその言葉を聞き、もしお父さんを家庭介護ではなく、初めから老健施設に入らせようとするなら私にも考えがあるからねと言い放った。すると子供達が何で!何で!としっこく聞いて来たので私は、もしお父さんを無理やり施設に入れたなら、毎日、毎晩、自宅の玄関インターホンを夜中十押し続け、それでもドアを開けないなら、出るまで玄関ドアを叩き続けてやるから、それでも良いなら何処にでもやってごらんと言った。すると聞いた家族はお互いの顔を見合わせながら「マジ、考えられない、パス」とか言って笑っていた。でも私は見ていた、笑っている家族の目の奥の瞳が光っていたのを・・。

      * 今週の私の好きな詩・・・その場がきなけりや、わかんねえ。
                                * (相田みつを作品集、ヨリ)

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【2016/03/31 17:03】 | | | コメント(1) | page top↑
あれから27年
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先日、夜自宅で娘と家内と私を含め3人で夕食を食べながらテレビを見ていると、放送の中で結婚式の様子が画面に出ていた。花婿が花嫁に結婚指輪を交わしていところだった。その場面を皆で見ていたら娘が突然、お父さんとお母さんも結婚指輪交換したのと聞いてきた。私は黙っていたが家内が「そうよ、交換したよ」と言いながら何やらヒソヒソ話をしていた。すると急に家内が立ち上がり寝室のほうに行き、しばらくして家内が帰って来たなと思った時、手には遠い昔に見たことがある白い箱があった。私は急に背中に寒気を感じた。案の定27年前の結婚指輪を入れた箱だった。家内は大事そうに箱を開け娘に見せていた、娘は指輪を手に取り「お父さん手に付けてみて」と私に指輪を渡した。27年前の指輪だから入るかなと言いつつ薬指に入れてみたら何も違和感なくスルリと入つて見せた。それを見た娘は私が恐れていた事を口に出した「お母さんも付けてみて」と…家内は始め嫌がっていたが暫くしたら何やら娘と私に見えない所でコソコソしていた。ところが数秒後2人の大笑いしている声が鳴り響いた。娘も家内も目に涙をためて笑い泣きしている。よく見ると妻の左手の薬指には第一関節で止まっている指輪が見えた。チュウブラリンの指輪は先にも行けず後すざりもできぬ状態で苦しそうに薬指に止まっている。私も思ってはいたが笑わずにはおられず3人で暫く笑い続けた。その後娘が家内に「お母さん太ったね」と言ったら家内はすかさず、「いいえ、関節の骨が大きくなっただけ」と訳の解らない会話が聞こえていた。


    *追伸・・・お母さんの名誉のために言っときますが、27年前の結婚式の時には
                    少々入りにくくはあったが間違いなく指には入りました。

    今週の私の好きな詩・・・にんげんだもの。
                   (相田みつを作品集、ヨリ)

【2016/02/26 15:15】 | | | コメント(1) | page top↑
せいしん年齢?・・じつ年齢? 
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 以前、私の知り合いが高い所から飛び下りた時、バランスを崩し着地が上手くいかず足を骨折してしまった。後日お見舞いに行くと元気にされていて、私にあの高さ位なら容易に飛べると思っていたのだが、自分の意志とは違う体の動きになっていて、こうゆう結果に成ってしまったと後悔され、くれぐれも自分はまだまだやれると過信するなと言われた。確かに以前、若い時とは違う事はわかるがまだまだと思う気持ちはあった。だがその後、建築現場に行って基礎の上から70センチ程の地面に飛び下りようとしたら、ふと脳裏に迷いが出て、手摺を伝って下りたり、現地調査の際、敷地に行く前に狭い水路をジャンプして飛びこそうとした時もバランスを崩し飛び越す事をあきらめ遠廻りをしてしまった。そのように以前は何でもなく出来た事か今では尻込みしてしまう、これが「老い」と言う事であろうか。この事を家内に話したら、家内は私はまだまだ大丈夫と言い切っていた。後日、何だかのレクレーションで出かけた家内だったが、次の日食卓の上には今日付けの整骨院からいただいてきた湿布が大量に置かれていた。これが実年齢である。あせらず少しずつ運動をして行こうと思った瞬間であった。
     

* 今週の私の好きな詩・・・なやみはつきないな、生きているんだもん。
                             (相田みつを作品集、ヨリ)

【2016/01/25 15:00】 | | | コメント(4) | page top↑
ハイキング②
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以前このブログで家内と二人、弁当持参で近くの山へハイキングに行った話をしました。そのハイキングでの道中でもう一つ出来事があったのでお話しします。その日リュックを背負い道端で拾った木を杖に中高年二人が山道を歩いていると今まで歩いて来た方から軽トラックが私達を見ながらゆっくり横を追い越して行かれました。その時はあまり気にも留めず歩きちょうど昼頃、山頂に到着してミカン畑の一角で眼下に広がる海を見ながらお弁当を食べていました。すると遠くの方の山道に先ほどすれ違った軽トラックから私達の方を窺っている気配がして、気になり私がしばらく見ていたら、スーッと車を移動して見えなくなりました。私たちは農家の方がミカンを運ばれているのだろうと思い気に留めず御昼を美味しくいただき帰路に着きました。しばらく坂道を降りていくとまた、先ほどの軽トラックが私達の横をゆっくり追い越して行かれるではありませんか、家に着いてもその軽トラックの事が気になり私の地元の知り合いに話してみると、知り合いは笑いながら近頃この周辺でお年寄りの徘徊による行方不明者が多いので自治会の方がパトロールしたり住民が注意しているみたいだから、たぶんおまえ達も老夫婦の徘徊か、または自殺でもするように見えて、監視されていたんじやないのと笑いながら言われた。
私と家内はそれを聞き、お互い黙って顔を見合わせていた。

* 今週の私の好きな詩・・・名もない草も実をつける、いのちいっぱいの花を咲かせて。

* (相田みつを作品集、ヨリ)

【2015/12/10 17:47】 | | | コメント(2) | page top↑
ハイキング
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先日、家内と二人で近場で一番高い山にお弁当を持ってハイキングに行った。ハイキングと言っても標高差がかなり有るので登山までは言わなくとも山登りとは言えるだろ。以前から家内と健康を考えてハイキングでもしたいねと言っていたところ、二人の休みが重なり決行となった。朝から私は身支度をし家内は二人分のおにぎり弁当をこさえていた。家の玄関前に立ち私の背には二人分の弁当と水筒が入っているリュックを背負い、いざ出発と家を出た。すると私が一歩歩くと、チリン、二歩歩くと、チリン、チリンと私の歩数に合わせたように鈴の音が聞こえる。不思議に思い振り向くと私の背折っているリュックに大きな鈴が一個ぶらさがっていた。その様子を見ていたのか家内が笑いだした。家内が付けたのだ・・私も可笑しくなり笑いながら何で付けたのか聞いてみた。2つの理由があった。まず一つは、私が道に迷い迷子になっても発見しやすい。二つ目は熊よけの鈴と真面目な顔で答えた。それを聞いた私は家内によく聞くように前置きして言った。まず私はこの土地に生まれ何十回もこの山には登っている。貴方が道を間違えるのなら解るが私は絶対間違えない!それと熊は九州どこを探してもいない。いるとすれば動物園位なので鈴を付ける必要は無い。そう言い笑いながらそのまま歩いていると、なんだか鈴の音が心地よく響き最後までリュックから外す事もなくハイキングは終わった。

      

* 今週の私の好きな詩・・・いまから、ここから。

* (相田みつを作品集、ヨリ)

【2015/09/26 09:38】 | | | コメント(0) | page top↑
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