
皆様もご存知とは思いますが、鳥というもの、果物の食べ頃が判るということを現実に思い知った出来事が有りました。それを今回書かせていただきます。先日、実家の母より電話が有り娘を連れて庭に植えてあるサクランボの実を取りに来ないかと連絡があった。だが母が言うには二日後の日曜日の朝じゃないとダメだと言う。私達も日曜日の方が都合が良かったので、日曜に行く事になった。当日、朝10時頃に実家に着き家に入ると母が居ない。あんなに自分から今日と言っといて留守かよと思い庭に回って見わたすると庭にあるサクランボの木の前に椅子を置いて、サクランボの木を瞬きもしない様な鋭い眼差しで見ている母が居た。なんばしよっと?と私が尋ねると、母が言うにはサクランボの木の先にある電線に止まっているカラスを見ていたとの事。もし少しでもこの場を立とうものなら、すかさずサクランボをカラスが食べに来る。そのピークが今日らしい…何故ならサクランボが最高に熟すのが今日だ。だから今日は朝、日の出前から起きてお前達が来るまでカラスとにらめっこしていたと言う。誰にも食べさせない前に一等最初にカラスに食べさせるものか!という一念で私達を待っていたらしい。その後サクランボを皆で食べて親戚へのおすそ分けも済ませ、サクランボの木を見ていたらカラスが、残った実を美味しそうに食べていた。それを見て母は眠たそうな目でカラスに微笑んでいた。
今週の私の好きな詩 * うばい合えば足らぬ、わけ合えばあまる、
うばい合えば憎しみ、わけ合えば安らぎ、
(相田みつを作品集、ヨリ)