
週末のある日、私がまだ寝ていると、玄関先で何やら話し声と犬の鳴く声が聞こえた。しばらくすると聞こえなくなり気に留めなかった。その後起きて玄関に行くと、小型犬が足元に寄って来た。私は何事が起こったんだと思い妻と娘を呼んで事情を聞いた。妻いわく、以前より中学2年生の娘が、携帯を欲しがっていたらしく高校になれば買って良いと言って来た、だが友達が皆持っているからまた買ってと言われたらしい…その後二人で冷静に話し合い交換条件で犬を飼う事で合意したらしい。だが事情はどうあれ私は小さい頃、逃げ惑う私に犬が追いかけて来て足を噛まれた時の事が忘れられず、犬を飼う事には反対の立場を取っていたが、まさか飼って居たとは知らず、困ったものだ。その後しばらく経ったある日、家に帰ったら誰も居なく犬だけが犬小屋にいた。犬は私を見るなり、尻尾を振って近づいて来て、私が手を差し出すと、口を近づけぺロぺロとなめ、目をクルクルさせて私に微笑んだ「カワイイ」今までの犬に対する思いが変って来た。娘達から近頃シカトされる私に取って、癒してくれる家族が一人増えたようだ。でも、今でも家族の前では、犬は嫌いな事になっている。
今週の私の好きな詩 * 一番わかっているようで、一番わからぬ、この自分。
(相田みつを作品集、ヨリ)