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要領のいい息子 



数年前、私の息子がまだ高校生の頃、学校まで行くのに電車通学だったのでJRの定期券を持たせていた。ある日、定期券の期限が切れ1日だけ普通切符を買って通学する日があった。その日は私も帰りが早いので前日より帰りは乗せて帰ると約束していた。夕方、待ち合わせ場所につくと息子はもう来ていた。車に乗せ帰路へ、しばらくして車中で息子が私に、酒の肴にしてとビニール袋に入れたおつまみセットをくれた。私がどうしたのと聞くと、いつも送ってくれるからと、私は何か熱いものを感じ嬉しくなった。家に着き早速、息子にもらった酒の肴で一杯飲みだした。しばらくすると家内と息子が何か言い争っている声が聞こえた。家内が息子に帰りはお父さんの車に乗せてもらって来たのなら、帰りの交通費は返しなさいと、私はそんな小さい事言わなくて良いのに…と思って聞いていた。今度は息子が母親に「あぁ、帰りの電車賃は今お父さんの酒のおつまみになってるよ」と言っていた。それを聞いた私は、そんな事だろうと思った…と一人で、にが笑いしながら二杯目のお酒を注いでいた。

          
今週の私の好きな詩 

*セトモノとセトモノとぶっかりっこすると、すぐこわれちゃう
どちらかやわらかければ、だいじょうぶ、やわらかいこころを持ちましょう。 

*(相田みつを作品集、ヨリ)

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【2011/05/19 13:22】 | | | コメント(0) | page top↑
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