私はお刺身が食べたい時は何時も行く鮮魚店がある。その鮮魚店は水槽だけの店でその中に泳いでいるいろんな種類の魚を絞めて販売する一匹買いの店である。お客の注文があれば捌いてもくれる。先日も魚が食べたくなり買に行ったところお店はシャッターが下りて閉まっていた。その後も何回か行ったのだがやはり閉まっていて店を開けている気配もない。気になって近所の人に聞くと、一月程前に店を閉められたようだ。家族で漁師をしながらお店をされ数年前には息子夫婦も一緒に店に出て繁盛していたのに・・以前は大きい魚も一匹買いをして家で捌いて食卓に並ぶという極当たり前の事が今ではスーパーでパック入りの商品を買うのが支流になっている。まして魚を捌ける奥様も少なくなり需用が減りお店を止められたのだろう。これも時代の流れだと思わざるをえない、販売、流通の変化及び消費者の考え方どれを取っても古い人間の私には何故だか寂しい思いが残った出来事であった。
* 今週の私の好きな詩・・・その場がきなけりや、わかんねえ。
(相田みつを作品集、ヨリ)